書評習慣

書評を中心に様々なコラムやエッセイを書いております。

エッセイ「物々交換ドットコム」

ビットコインが改めて、注目されている。 クラウドワークスで、ライティングの仕事を検索するとビットコイン関連の記事の翻訳の仕事の単価が高い。ニーズがあれば、おのずと金額も高くなる。 つまりニーズ=価値といえる。世の常を感じる部分だ。 かのマルク…

エッセイ「規則正しい男が抜擢される時代の始まり」

日経新聞の「けいざいじん」というコーナーを毎回楽しみにしている。 上場企業の社長に着任する人の「人となり」を紹介する記事だ。 最近の複数回を見ていて、あることに気がついた。 アステラス製薬、ソニー、東急電鉄、日本電産。 名だたる企業であるが、…

書評『親鸞(上)』五木寛之 2011年

立川談志は落語とは人間の業の肯定と言った。 「業」とはどうしようもない人間の弱い部分と言い換えることもできるだろう。 親鸞は人間の「業」と徹底的に向き合った、もっと言えば”幸いなことに”向き合わざるをねなかった男といえるかもしれない。 本書は、…

書評『モネのあしあと』原田マハ 2016年

あなたには好きな画家がいるだろうか? 本書は好きな画家を持つことがいかに幸せなことかを教えてくれる。 原田マハさんは、元々アートの世界に身を置いていた作家である。 アートを仕事にしていたときと比べると、肩肘張らずにアートに向き合えるようになっ…

書評『保育士という生き方』井上さく子 2018年

保育士のイメージを一変させる書籍が必要だと感じていたが、その一端を担う本が登場した。著者は38年間保育の仕事に携わってきたエキスパート。 井上氏は保育のゴールは「自己肯定感を持ってもらうこと」だと主張する。 保育は誰でもできる仕事と主張する人…

書評『意志の力』安田善次郎 2014年

安田善次郎とは、安田財閥の創始者でみずほ銀行、安田生命火災保険の創始者でもある、史上最強の経営者といっても過言ではない人物である。 本書のカバーにも記載されているのだが、個人で築いた資産は、1921年当時で国家予算の8分の1である。%でいうと12.6…

書評『世界一の庭師の仕事術』石原和幸 2009年

著者は大学卒業後路上の花屋からスタートし、一念発起して、イギリスの権威あるコンテスト「チェルシーフラワーショー」でゴールドメダルを受賞した。本書は、その成功までの道のりを自ら語った物語である。 2つの視点から本書を分析してみた。 ①成功の要因…

書評『学校も会社も教えてくれないお金のこと』中村芳子

著者は20代、30代のお金の啓蒙に力を入れているファイナンシャルプランナーだ。 これは私の印象だが、ファイナンシャルプランナーは家計の見直しを生業にしていることもあり、おしなべて個人にとって有益な著作が多い気がする。 親切で良心的なものが多い。 …

書評『1000円投資習慣』内藤忍

小口投資は今後さらに注目を集めていくと思う。 投資信託、NISA,iDeco、等、 最近はビットコインの影に隠れている印象もあるが、 実は、日々様々な広告を賑わせている金融商品だ。 上記、「投資信託、NISA,iDeco」をまさに説明してくれているのが…

書評『はじめての人のための3000円投資生活』横山光昭 2016年

一般庶民にとっては、銀行はもはやコインロッカーと化している。 と感じるようになった。 どれだけお金を預けても、大して利息はつかず、ある意味資産を寝かせているだけ。 このことに多くの人が気づき始めている。 「貯蓄から投資へ」というのは、徐々に進…

書評『わたし琵琶湖の漁師です』戸田直弘 2002年

注意!この本を読んでしまうとバス釣りがちょっと嫌いになる可能性があります。 と宣言したくなる。そんな1冊だ。 著者はこの道20年以上の大ベテラン、琵琶湖で漁師をやる戸田さん。 内容は、琵琶湖で取れる魚や具体的な漁の方法などが親しみやすい戸田さん…

書評『「ビットコイン」のからくり』吉本佳生 西田宗千佳 2014年

ビットコイン=仮想通貨と聞いて反応はいくつかに分かれるだろう。 ①損した!二度とかかわりたくない。 ②興味はあるけどなかなか手が出せない。 ③単語は聞いたことがあるけど、ちんぷんかんぷん。 本書は、②③の方が読むと非常に参考になるのではないかと思う…

書評『SHOE DOG』フィル・ナイト 2017年

アメリカの大学生は、桁外れに勉強している。 読み始めてすぐに気がついた。 本作品は、ナイキの創業者フィル・ナイトのサクセスストーリーだが、 実は、精巧に編集された日記でもある。 数十年前のエピソードも非常に克明に綴られており、いかにフィルが優…

書評『人生に必要な30の腕時計』ガンダーラ井上 2003年

男には2種類いる。時計をつける男とつけない男だ。 私自身、時計はつけない主義だった。 だったと過去形にしているのは、つける可能性が出てきたからだ。 本書は、人生の様々なシチュエーションに合わせて、ぴったりの時計はどんなものなのか、 著者独自の観…

書評『人生は、だましだまし』田辺聖子 2005年 

読売新聞の広告で「この国は、本を読まない大人が増えた。だから子供みたいな国になってしまった」という内容を語ったのは、田辺聖子である。 本書は、エッセイ仕立てだが、飲み仲間の「フィフティちゃん」と「イチブン氏」との会話を通じ、人間の生態、特に…

書評『舶来屋一代 ~はんどばっぐにほれたおとこ~』上前淳一郎 1983年

高級ブランドの商品が並んでいる場所といえば、 ぱっと思い浮かぶのは、丸の内と銀座である。 なぜあの場所にブランド店が集中するようになったのか? その背景には、ヨーロッパの一流品にほれ込んだ一人の男の奮闘があった。 主人公の茂登山長一郎、通称長…

書評『最近捕鯨白書』土井全二郎 1992年

日本で400年の歴史を誇る捕鯨に対する国際的な立場の違いを、主にIWC(国際捕鯨委員会)の動きに沿って1978年~1992年までの約15年ほどの歴史を追っている本書。 捕鯨への理解を深められる一方で、根拠なき多数決の有害性を思い知らされるかもしれない。…

書評『大奥の奥』鈴木由紀子 2006年

教科書に載らない人たちが歴史を動かしている。 本書を読んで得た素直な感想だ。 いつの時代もフィクサーと呼ばれる人たちがいる。 歴史の表舞台には立たず裏で糸を引く人たち。とかく悪者が多いイメージだが、 大奥の歴史上も表舞台の主役を圧倒するような…

書評『京都 舞妓と芸妓の奥座敷』相原恭子 2001年

サーフィンをしないサーファーを「陸サーファー」と呼ぶが、 お茶屋に足を運ばない「花街オタク」も文化としてはなかなか面白い。 花街は奥深い魅力を持ち、人に話したくなるエピソード性を持っている。 たとえば、モルガンお雪という女性がいる。ブルゾンち…

書評『エルメス』戸矢理衣奈 2004年

平均年収400万円の旅館がある。サービス業界にあっては、特異な存在といえるだろう。 神奈川は鶴巻温泉に陣屋という旅館がある。旅館としては珍しく、定休日が週に2日ある旅館だ。客単価は4万5千円となっており、高い生産性を誇る事例として先日、日経新聞に…

書評『京の花街「輪違屋」物語』高橋利樹

清水寺を作ったのは誰だがご存知だろうか。 坂上田村麻呂という人らしい。初代の征夷大将軍で平安時代に北方征伐に抜擢された 最強の武将だそうだ。 歴史にはつい人に話したくなる要素が満載である。 優れた文化についても歴史的背景を伴ったものが多いのは…

書評『京都のおねだん』大野裕之 2017年

チャップリンの愛した味 しゃべってはいけない喫茶店 抹茶パフェ発祥の地 レンタル地蔵で作るお祭り 水にこだわる美容室 こんな旅行プログラムがあったら心躍ってしまう人も多いだろう。 通常、旅行をする時に参考にするのは、旅行雑誌やウェブサイトが中心…

書評『思想する住宅』林望

家作りは一生の中でもかなりの大仕事だが、それを根本から考え直す一冊。 日本では、家は南向きが良いと無条件に信じられている節があるが、著者はそこから疑ってかかっている。 なぜなら、絶望的に夏が暑い日本で快適な住居を求めるならまずは、日光の遮断…

書評『幼児期』-子どもは世界をどうつかむか-岡本夏木 2005年

人は、成果が保障されていないものを採用する勇気をなかなか持ち得ないものである。 教育の方法については、とかくそうで、「東大に3人入れた母親が教える~」のような、実績を出した人の本は話題になりやすいが、本質的で重要な議論でもタイトルが地味な場…

立川志らくと竹原ピストルの共通点とキュレーションの今後について

今年の紅白歌合戦は固唾を呑んでみまろうと思う。 なぜか。竹原ピストルが出場するからである。 歌声を聴くたびに、本当に歌うために生まれてきたような男なんだと思う。 曲を聞き流すことが多い昨今にあってしみじみと歌声に耳を傾けたくなる 稀有なミュー…

一日一遊

一日一善ならぬ「一日一遊」を提唱したい。 そんなことを思い立ったのは、ルーティンを大切にし始めた30才を超えてからである。 幸か不幸か子供の頃から努力というものをしたことがなかった。運動も勉強もそこそこやれば人並み以上にできてしまった。 夏休み…

フジTV的バラエティの終焉について

ナインティナイン「めちゃイケ」ととんねるず「みなさんのおかげでした」が来春で終了することになった。「めちゃイケ」は、約20年、「みなおか」は約30年の歴史に終止符を打つ。 私はこの事象は、明確なる「フジテレビ的バラエティ」の終焉だと思っている。…

女性向けの風俗の発展について

日夜文集砲が号砲を鳴らす現代日本。 不倫や浮気の肩身は相当狭いといっていいだろう。 不倫をテーマにしたドラマは主婦層に大ヒットとなっている。 一方で、今年3月の明治安田生命の調査によれば25歳から34歳のアラサー世代の過半数は結婚を意識した交際の…

書評『江戸遊里盛衰記』を読んで

『色道大鏡』という奇書がある。世は、江戸時代、寛永。著者は藤本箕山(ふじもときざん)。 1626年に生まれた当時随一の教養人だ。19歳の頃から40年という歳月を費やして、実際し遊里に足を運びまとめあげた。 現代になぞらえれば、全国の風俗街に足を運び…

『書き下ろし歌謡曲』阿久悠を読んで

その昔、塾に通っていたころ、皆さんは詞とメロディどちらで曲を選択するか?ということを講師に問われたことがあった。私はそれまで歌詞に注目したことなど皆無だったので、とても新鮮な質問だなと思った記憶がある。 私は1983年生まれだが、私よりもう少し…