みなさんにとって、昆布とはどんな存在でしょうか。
多くの人にとっては、取り立てて注目することのない
単なる食材なのではないでしょうか。
栄養価や料理が好きで味にうるさい人の中には
昆布にこだわるという人もいるかもしれません。
いずれにしても、普段から昆布のことを考えているという人は、
昆布で商売をする人か、研究をする人、もしくは、相当な変わり者の3種類くらいしかいないと思います。
正直それくらい普段昆布のことを考えるという人は、
少ないのではないでしょうか。
そういう意味で、本書は、一般人が持つ
昆布の印象を180度変えうる革命の書といっても良いものです。
著者は敦賀で140年続く、由緒正しき奥井海生堂を率いる奥井社長。
いわば昆布のエキスパートです。昆布を愛し、昆布に愛された男です。
本書がなぜ革命の書となりうるのか?
それは、本書が昆布の栄養価や産地、流通といった現代の昆布事情に留まらず、
昆布が日本人にとってなくてはならない理由を、歴史的な背景を遡って記している
点にあります。
その昔、北前船という船がありました。
この船は、ちょっと特殊で、単に商品を積んで船で運ぶだけではなく、
各地で商品を買い付けて船で運び、寄港地で売りさばくというビジネスモデルを持っていました。リードしていたのは、近江商人。三方良しのあの人たちです。
実は、この北前船が取り扱う商品の中でも、昆布は重要な役割を果たしていました。
北前船は北海道(当時は蝦夷)で昆布や鰊などの海産物を仕入れ、日本海側を渡って、
敦賀へ寄港。その後、陸路で大きな消費地である大阪、京都へ荷を運び、商売をしていました。食品の消費量が多い大都市で昆布は重宝されたわけです。
ここから、経由地として栄えた敦賀に昆布商が多いこと、大阪、京都でだしの効いた料理が昔から出されていたことは、歴史的な出来事に端を発することだったという発見もあります。
また、江戸末期、薩摩藩が倒幕に向けての活動に注力していた頃、
資金作りに活用されていたのが、実は昆布だったというエピソードも登場。
この二つのエピソードからも日本の歴史の中で、
昆布がいかに重要な役割を果たしていたかがわかります。
他にも昆布をいかに美味しく食べるかという具体的な調理方法や、
母乳と同じうまみ成分を持っていることなど、興味深いエピソードが満載です。
ある1つのテーマから、日本の歴史を紐解くことができる。
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