思い立って、作家になりたいと思い始めている。
いきおい私は今年で40歳だ。
何を夢を見ているんだ。現実を直視しろよ!という手厳しい言葉も
このご時世方々から飛んできそうだ。
けど、色々と思考を巡らせた結果なので、何卒ご容赦願いたい。
ただし、のっけから躓きかけている。
私は自分でいうのもなんだが、結構な陽キャである。
学生時代は、運動神経抜群、頭脳明晰なタイプだった。(というか自分で言っちゃうあたり、陽キャというよりもむしろイタイ奴だ。)
中学校時代などは、サッカー部だが、同時に陸上部に狩りだされるタイプだった。
オタクからヤンキーまで友達はたくさんいた。
浪人時代を含め、腐っていた時期がないかといえば嘘になるが、総じて、明るく朗らかに前半生を送ってきた。
さらに言えば、
困っている人がいたらすかさず助けるし、初対面の人と話すのも苦ではない。
この陽キャにさらに拍車を掛けたのが、社会人になってはじめた営業という仕事かもしれない。トータル9年ほど続けることになった。
毎日のように営業の電話をかけ、ひたすら商談に邁進してきた。
人と話すことが仕事であったと言っても過言ではない。
得意なこともそんなにないが、しいて言えば、
二次会の司会であると言っておこう。
そんな人間が、思い立って、作家になりたいと思っている。
しかも、なんとなく小説は書けなそうなので、
エッセイストになりたいと思っている。
どうですか、このふんわりした野望は・・・殴りたくなった人もいるでしょうか。
あと、そもそも知らないおっさんのエッセイなど誰が読むんだというツッコミもあろうかと思う。
ごもっともである。
ちなみに、私はこうみえて、エッセイが大好きだ。特に、さくらももこ、宮沢章夫、穂村弘、燃え殻等々、独特のボキャブラリーで笑いを誘うエッセイが昔から大好物だ。
けれど、最近少しだけ研究を始めて疑問に思ったことがある。
それは面白いエッセイというのは、総じて陰キャ気質の人が書いているのではないかということだ。
強気→弱気、明るい→暗い、派手→地味 というように。
陰キャの方というのは、テンションがそもそも高くない。物事を引いてみている。
一方の私はといえば、テンションも高いし、不機嫌になることもないし、毎日が楽しい。
ほとんどのことは寝たら忘れてしまうし、そんなにストレスを貯め込むこともない。
偏見かもしれないが、毎日が楽しい人間の書いたものなど誰が読みたいだろうか。
誰も読みたいはずがない。そんなもの退屈に決まっている。
ただ、ふと思ったのだが、逆に考えれば、今までの歴史上、陽キャが文壇で活躍したケースというのは少ないのではないか?
だからこそ、チャレンジする価値があると思っている。
もしかしたら、私のような明るい不届き者が書いた文章を面白がってくれる人もいるかもしれない。
さあ、どこまでいけるかは、皆目見当もつかない。
陽キャが書くエッセイはおそらくつまらない。
既に結論は出ているが、残りの半生を使って、
必死に抗ってみたいと思う。