書評習慣

大嶋暫と申します。書籍応援業。おすすめ本に関する書評ブログです。様々なコラムやエッセイも書いております。少しでも面白い書評が書けるよう奮闘中です。

コラム『本屋が学ぶべきスナックの戦略について』

先日の日経新聞の春秋に、代々木上原の幸福書房閉店のことが書かれていた。

 

店主は、お客様のために、電車好きなお客なら何人いるから、こういう本を入れておこうと顧客のことを思い巡らしたオリジナルの選本をしていたという。

 

自由に本を選ぶ空間を大切にするため、こちらからは決して声はかけなかったそうだ。

 

私は、そういう仕事人の美学は大好きだが、この姿勢だけでは、正直生き残っていけないご時勢に突入していることを感じる。

 

若い世代の人で、書店にはいかずネットで拾ったレコメンドを元に本を購入する

という意見があった。

 

私などは、本屋に出向いて気になるタイトルを発見するまで、書棚を睥睨しまくるタイプなので、人が薦めたものをそのまま読むというスタイルにはあまり馴染まない。

 

でもそんなストイックな本の探し方をするのは、もはや少数派なのかもしれない。

 

業界は変わるが、スナックの人気が再燃しているといわれる。

正確には、長らく人をひきつけてやまないというのが正しいとこではないかと想定しているが、固定ファンがついて、長く営業できているお店が少なくない業界だ。

 

スナックの良さとは、隠れ家と人生相談、談話の3つの機能を併せ持っていることだと思う。黙っていても落ち着く、しゃべって楽しい。そんな要素ではないだろうか。

 

このスタンスを本屋でも活かせないかと考えている。

 

基本はじっくり本を探せるけど、困ったらいつでも相談できる本屋さん。

現在においても相談されることを拒否している本屋さんはないと思うが、

もっとコンシェルジュの要素を全面に打ち出して良いのではないかと思うのだ。

 

正直言って、ネットの書き込みによる本の感想は、あまり使えないガラクタばかりで

全く参考にならないものが多い。

 

なぜか?推敲もされていない場合が多いし、そもそもの予備知識(読書量)が大したことがないので、内容に厚みが出ないのだ。

 

書店の店主やスタッフたちは間違いなく、本を愛する人たちである。

たくさん読み込んでもいるだろう。

 

「こんな本を読みたい」というユーザーの相談を受け止められる人たちだと思うのだ。

 

一方で、本屋さんのスタッフをみてコミュニケーション能力にちょっと欠けるなと感じることも少なくない。

 

町の本屋さんが儲からなくなったのを活字離れだけを理由にするのは、

非常に一面的でもったいないことだ。