本書は、就活を控えている女子学生をメインのターゲットとしている書籍ですが、
一番読んでほしいのは、大手企業をはじめとした企業トップと仕事第一主義の男性陣です。
なぜなら、これから経済を盛り上げるためには、間違いなく女性の力が不可欠だからです。その人たちを大事にできない人や企業は、淘汰される可能性が高い。
話は変わりますが、熟年離婚の主な原因をご存知でしょうか。代表的なものは、夫に感謝の言葉がない。家事をやらない。心無い言葉。
だったりします。
つまり、奥様への配慮が足りないばかりに、我慢の限界が訪れて、ある日突然通告される、そんな流れです。今の若い世代では、そういう大黒柱的な男性は減っているのかもしれませんが、油断することはできません。
その昔、女性に働くチャンスが少なかった時代は、女性は我慢するしかありませんでしたが、これからの時代は、男性に依存しなくとも食っていくためのキャリアを、形成しやすくなります。
そうなれば、家庭を顧みない男性など、なんの価値もない無用の長物に成り下がっていきます。
本書には、子育てとの両立に力を入れる企業が多数出てきますが、きめ細かく対応できる企業は、全体のほんのひとにぎりなんだと思います。
なぜここに登場する企業が、女性が働きやすい環境づくりをすることができたか。
その一つが、企業のクライアントが女性であることが挙げられます。
たとえば、化粧品大手の資生堂。9割は女性がお客様だそうです。
そうなれば、同じ女性のほうが、課題や要望を汲み取るのは有利なはず。
そのほかにも、女性の決定権者が多いことを活用して、業績を上げる企業の事例がたくさん出てきます。
本書に登場するのは、気後れするくらい優秀な女性たちなので、
私なんかと思う人もいるかもしれませんが、間違いなく勇気付けられる本だと思います。
最後に。
首都圏で600万円以上収入のある男性は、わずか3.5%だそうです。
つかまえるのは、なかなか大変です。宝くじみたいですよね。
では、どうすれば手元に引き寄せられるのか。
本人の志向が大事ですが、理工系に進むという選択肢は思いのほかアツいのです。
薬剤師もいいですが、その他の理系も含めて進むことは非常に有利にことを運べる可能性があります。