書評習慣

大嶋暫と申します。書籍応援業。おすすめ本に関する書評ブログです。様々なコラムやエッセイも書いております。少しでも面白い書評が書けるよう奮闘中です。

書評『ネットではじめる主婦のヘソクリ株』ノマディック編著 技術評論社

専業主婦にとって、ヘソクリの創出というのは、

今でも一大テーマなのでしょうか。

 

今や共働き世帯が増える一方なわけですが、

自分の資産をコツコツと増やしたい主婦の方もいることでしょう。

 

本書は、主婦のヘソクリを株式で作ることを薦めている本です。

「株ってなんだかこわいし、よくわからない」という人こそ

一度目を通してみると良いかもしれません。

 

本の中身ですが、

 

株式の仕組みや、株をどうやって買ったらいいのか?売ったらいいのか?

株を買うときはどんな情報のどんな点に注意すればいいのか?

などなど

 

誰でもわかる簡単な言葉で書かれています。

 

株の基礎を知り、証券口座を開き、実際に手続きをするまでの

良き入門書となっております。

 

株に関する知識がある人にとっては、かなり簡単な内容ですが、

小学生や中学生向けの金融教育の教科書としても非常に使える本です。

そして、働いている女性こそ読むべき本かもしれません。

 

今は、超低金利時代です。

銀行にお金を預けておいても増えていくことはほぼありません。

私は、銀行は便利なコインロッカーだと思っています。

 

定期預金に預けたとして、年利は0.01%

微々たる金利しかつきません。

 

一方で株式を購入することで得られる配当金を例に取ると、

割のいい会社だと、年間で1株あたり150円程度の配当がもらえる会社もあります。

 

100株25万円だとすると、年間で1万5千円の配当がもらえます。

150円÷25万円=0.06% 利回り約6%

 

もちろん、株価が下がれば、その配当金はもらえなくなってしまうかもしれません。

配当金には税金もかかります。

 

それでも、ただただ銀行にお金を預けることだけを考えれば

極めて合理的な資産形成方法だと言えます。

 

その配当金を再投資すれば、さらに大きなリターンが見込めるかもしれません。

 

もっというと、これからの時代、自分の資産形成だけではなく、

自分の子どもの資産形成にアドバイスできることも親の大きな役割の1つとなっていきます。

 

適切な金融教育を自らの子どもに施すためにも、

ここいらで本格的に学んでおくと良いかもしれません。

書評『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』幡野広志 PHP

私は基本的に本は、本屋さんで買う主義です。

 

目的意識のある読書だけでは世界が広がらないので、

本屋さんの棚をなんとなく見回して、

面白そうな本を探しだして買うのが好きです。

 

街でナンパをする感覚に似ているかもしれません。

きれいな人を見つけては、とりあえず声をかけてみる。

 

棚から本を手に取って、パラパラ見て見る。

 

なんとなく似ていませんか。

・・・似ていないか。

 

それはそうと、本書は新聞の広告を見かけて、

コピーを読んで、即ポチリました。

 

理由は、著者が同じ35歳で、2歳の息子がいるという共通点があったこと。

そして、余命宣告を受けており、本の構成が子どもへのメッセージとなっていること。

同じ子を持つ親として、これは読まないわけにはいきませんでした。

 

まさに子どもでも理解できるような言葉で書かれている本なので、

夢中であっという間に読んでしまいました。

 

特に印象に残ったのは以下の3点です。

 

①学校で学ぶべきは理不尽さ

 

②面白い人になるべき

 

③金融教育の重要を問いている

 

幡野さんは、命の尊さなど道徳的なことは一切主張しません。

それよりも、自分がいなくなった後の世界で息子がサバイブしていくには

どうしたらよいか。非常に実践的なアドバイスをしていきます。

 

父から息子への真摯なメッセージを読むにつれ、

自分は子供にどう生きてほしいのか?

そして、自分は父親としてどう生きていくのか。

 

そのことを立ち止まって考える非常によい機会となりました。

書評『アラブの大富豪』前田 高行 新潮新書

サウジアラビアの記者、カショギ氏が殺害されたというニュースが世間を騒がせています。改めて、中東の国サウジアラビアという国に興味を持った人も、

多いのではないでしょうか。

 

ソフトバンク孫社長が、大規模なファンドを作るために

手を組んだのもサウジアラビアでした。

 

私も、名前は知っているけど、実態は皆目わからないという状態でしたので、

本書を紐解いてみることにしました。

 

本書は、題名にある通り、中東の中でも取り分け裕福な国である、

サウジアラビアアラブ首長国連邦における、王族の実態に迫る非常に意欲的な作品です。

 

著者は、中東の企業でも働いたことのある方で、

まさに内情に精通している人というわけです。

 

何人か登場する中でも私が特に魅力的な人物だと思ったのは、

サウジアラビアのアルワリード王子です。

 

学生時代には、アメリカに留学し、勉学に励み、卒業はビジネスに没頭していく

アルワリード王子は、事業家としてキャリアをスタートさせますが、

早い段階から投資家として頭角を現すようになります。

 

王子の投資スタイルと一言で表すと、

 

ホワイトナイト”であるということに尽きます。

 

ホワイトナイトとは、白馬の騎士と言われ、

企業がピンチの時、業績不振で資金が必要な時に

手を差し伸べる存在です。 

 

具体的な投資スタイルについて、書くと、

「底値で買い、長期間保有する。」

というスタイルです。

 

1つアルワリード王子が決めていたのが、

ブランド力がある企業に投資をすることでした。

 

投資家の理想的な姿と言えるのかもしれません。

実は、大手銀行のシティバンクを窮地から救ったのも

このアルワリード王子と言われています。

 

日本国内で投資というと、どうしても株価の値動きに右往左往する、

投機のイメージがいまだ根強いですが、気に入った企業がピンチの時に

手を差し伸べ、長期間保有するというスタイルは、

投資に馴染みの薄い人にとっても勉強になる部分が多いと思います。

 

特に、業績不振で株価を大きく下げたライザップ。

ゴーン・ショックとも呼ばれ大きく揺れ動く日産。

この様な企業で、最近株が売られている状況を見るにつけ、

アルワリード王子のような投資手法を見習うべきなのではないかと

思うわけです。

 

書評『一流選手の親はどこが違うのか』杉山芙沙子 新潮新書

本書は、有名なテニスプレイヤーである杉山愛選手の母、芙沙子さんが書いた本です。

実は、杉山さんのコーチは、母である芙沙子さんが勤めていたそうです。

 

今回は、本書の書評を通じて、子育てに関する学びを共有していきたいと思います。

 

題名の通り、本書は、一流アスリートの親に共通するポイントをあぶりだした本です。

宮里藍石川遼錦織圭選手のご両親へのインタビューを論文にまとめたものが

ベースとなっております。

 

その教育方針には、十数項目の共通点があるのですが、

私がとりわけ注目したのは、以下の3つです。

 

①外遊びが多かった

②競技を始めた目的は家族の団欒だった

③練習時間は1日3時間以内

 

まとめると、幼少期には友達とたくさん外で遊んでいたいうこと。

家族でスポーツを楽しむために、その競技をやっていたということ。

杉山さんも、本来のスポーツの目的は楽しむことであり、それを忘れてはならないと言っています。中には、根を詰めすぎて、選手をつぶしてしまうコーチもいるそうです。

 

そういう意味で、③ともリンクしますが、

長時間に渡って練習をすることはないというのも印象的です。

 

一流への道の1つとして、一万時間の法則などもありますが、徒に長時間練習することよりも、毎日一定時間を練習に充てることのほうが大切ということなのでしょう。

 

著者の杉山さんには、スポーツを通じて人間性も磨いていくという哲学があります。

 

自身の子育ての経験から、子どもの自主性を尊重し待つこと。

その行動をつぶさに見つめ観察すること。礼儀やコミュニケーションを大切にし

人間性を養っていくこと。などをとても大切にしております。

 

杉山さんのスタンスは、競技を共に楽しみ、共に悩むということ。

そして、常に選手を観察して、力を最大限引き出そうと伴奏する姿が印象的でした。

 

子育てにおいても同様のことが言えるのではないでしょうか。

一緒に育ち、一緒に楽しむというスタンスを持つことが重要なんだと思います。

 

一流のコーチ像とあるべき親の姿とは何か。

必要な要素はとても似ているなと本書を読むと感じます。




書評(新書)『活字たんけん隊ーめざせ、面白本の大海』椎名誠 岩波新書

女性にモテる作家といえば、私は二人思いつく人がいます。

開高健さんと椎名誠さんです。

 

二人に共通している点は、好奇心の赴くままに、世界の各地に赴き、

釣りをしたり、野宿をしたりしている点です。

行動力がずば抜けています。

 

一方で、精緻な表現やユーモア溢れる豊かなボキャブラリーで、

読み応えのある小説やエッセイを発信し続けていたことは広く知られているところです。

 

知性だけのインテリは、とかく女性からは敬遠されます。

そして、行動力だけのバカは、これまた女性からの支持率が低い。

 

知性と行動力を併せ持つ男というのは、案外少ないのかもしれません。

女性の生存本能をくすぐるものがあるのでしょうか。

 

ちなみに、本書『活字たんけん隊~』は、書評エッセイとも言うべき作品です。

 

本書の構成は、テーマに沿って、椎名さんが様々な本を紹介していくのですが、

椎名さんの考えや紹介した本の中身に対するツッコミが出てくるので、

この本自体が、エッセイのような楽しい読み物になっています。

 

それでいて、面白本も紹介してくれるので、ブックガイドにもなっており、

二度美味しい本です。

 

印象的だったのが、椎名さんの造語である”現場読み”という行為。

 

要するに、旅した現場において、その場所について書かれた書籍を読むという行為を指すらしいです。なんと素敵な行為でしょうか。

 

たとえば、アマゾンに行ったときに、アマゾンについて書かれている本を読むということです。現地で現地について学ぶ。これ以上の知的エンターテインメントはないのではないでしょうか。

 

旅行の楽しみ方が1つ増える。

そんな本でもあるのです。

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書評『ぼくと仕事、ぼくと子ども』影山大祐 トランスビュー

本を読んでいて、思わずメモしたくなる言葉と出会えると嬉しくなるものです。

印象に残る一節に出会うとワクワクするし、価値ある読書だったなと思えますよね。

 

ここでとある一節を紹介します。

 

「寛容さってのは、子どものことをなんでも許すっていうことではなくて、たとえば隣に住むおじちゃんに自分の子供を怒られた時に、『ありがとうございます』って言えるような寛容さ。それに大人同士の関係ができていれば、他の子どもを怒ることだってできるじゃないですか」

 

この文を読んで、感性の豊かな大人のことばを垣間見た気がしました。

 

今回紹介する『ぼくと仕事、ぼくと子ども』の中で見つけた一文です。

 

いきなり話は変わりますが、

最近、『子育て経営学』という本を読みました。

 

登場する10人の父親は、ビジネスの最前線で活躍する人たち。大企業の社長やベンチャー企業の経営者、新進気鋭の建築家等。

 

一昔前なら、24時間仕事に没頭していたような人たちが、子育てに高い関心を示し、

実際に深く関わり始めています。

 

最前線で働く人たちの意識と子育てへの向き合い方の変化

を感じる斬新で学びの多い1冊でした。

 

戻ります。

 

影山大祐さんの書いた本書『ぼくと仕事、ぼくと子ども』も子育てに関しての

インタビューと著者の所感が中心になっていますが、『子育て経営学』とは

少し毛色が異なります。

 

登場する人物たちは、保育園園長、絵本作家、ランドセル職人、大家、アウトドアプロデューサーなど、先ほどあげた人たちと比較すると、より”子どものため”を生業にしている人たちです。

 

冒頭に上げた一節は、世田谷にある松蔭会館という会社で常務をやっている

佐藤芳明さんという人の言葉です。地に足の着いた素敵な大人の言葉だなと感じます。

 

子育て経営学は、日々忙しく生きるビジネスパーソンの子育ての実態に触れられる本だとすると、本書は、より等身大で子どもに寄り添い生きていくためには、どうすればいいのか?という問いに対して、ヒントを得られる本ではないかと思います。





書評(新書)『パパの極意』安藤哲也 NHK出版

イクメンという言葉に長らく違和感を感じておりました。

子どもが生まれる前から感じていました。

 

この違和感の正体は何なのか?

本書を紐解いたことで、すべて解決しました。

 

もともとイクメンに違和感を感じていた理由は、

そのファッション性にあります。

 

イケメンと同様で、その奥行きをのない軽薄な感じに

ずっと嫌悪感を抱いていました。なぜ嫌悪感を抱いていたか?

 

それは、本来育児とは夫婦で協力していくものなのに、

ちょこっと子育てに携わっただけで、なんだか凄いことをやっているように

見えてしまう”イクメン”という言葉が嫌だったわけです。

 

母親は、子どもが生まれてくる前から子育てにコミットしており、

たとえば、”イクハハ”などど、わざわざいわれるようなことはないわけです。

 

それは、子育ては女性がするものという価値観が

刷り込まれているからではないでしょうか。

 

つまり、元々子育ては女性ものという凝り固まった価値観があるからこそ、

イクメンなどという新しくラベリングをするための言葉が、生まれてきてしまうわけです。

 

そんな不自然な状況に、自然体で一石を投じたのが、安藤氏です。

 

著者の安藤氏は、NPO法人ファザーリングジャパンの初代理事。

絵本ナビの社外取締役なども歴任した方です。

 

自分の父親が家庭を顧みず、安藤氏の母を軽んじるような人だったため、

反面教師として捉え、ご本人は紆余曲折もありつつも、自然と子育てを楽しむようになります。

 

読み聞かせた絵本は延べ6000冊。

保育園の連絡ノートを読みながら、晩酌をする。

 

かつてこんな父親はいなかっただろうな思わせるとても素敵な人です。

 

私は、こういう本が浸透することで、将来なりたいのは「すてきな父親」だ

という子どもが増えたらいいなと密かに願っています。

 

また本書は、育児の楽しさやすばらしさを教えてくれる本ですが、

子どもがいようがいまいが、男性の働き方を問い直す上で、有益な示唆を与えてくれる

1冊です。

 

最後にちょっと下世話な話をしますが、モテたい男子は必読の書です。

 

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