エンジェル投資家とは、スタートアップ企業に投資を行う人です。
かつての日本にも、有望な若者に投資をして、事業を育てようとする
パトロンのような人は存在しました。
しかし、「エンジェル投資家」というような役割を明確に示す
概念=単語は、存在していませんでした。
そういう意味で、本書は、日本の資本主義をさらに前進させるために
必要な投資家の役割について、定義づけ、どうしたらなれるのか?を
具体的に説明をしている、これまで存在しなかった本です。
いわば、「投資家になるには?」
という問いに回答する教科書です。
エンジェル投資家として活躍する当代随一の投資家です。
代表的な投資案件は、ご存知の方も多いであろうウーバーテクノロジーズ。
投資額の何万倍のリターンを得たそうです。
本書の内容は、まさに投資家のための教科書というべきで、
投資をやっていく上で気になる内容が目白押しです。
例をあげると、エンジェル投資に向いている人とは?、金がなくてもエンジェル投資家になれる、創業者にどんな質問をすればいいか?、投資案件の管理方法
等々、本当に具体的で効果的なアドバイスを惜しみなく提供してくれています。
本書の一番の読みどころだと感じた箇所を以下に引いておきます。
”いつもこう聞かれる。「どうやって10億ドルの投資先を見つけるのか?」
10億ドルの会社を選ぶのではない。10億ドルの創業者を選ぶのだ。”
この部分です。ジェイソンは、要するに儲かる事業アイディアがあるわけではなく、
お金になる創業者は誰なのかを見極めることが大切だと説いています。
また、エンジェル投資家の本質を明確に言い表す、
こんなことも言っています。
”基本的にエンジェル投資家の仕事というのは、ここで説明したようなチャンネルを広く見渡し、いちばん有望そうな相手を選ぶということに尽きる。大学のスポーツチームのスカウトが高校を卒業する選手を探すのに似ているかもしれない。”
要するに、これから成功しそうな人を見つけて、投資をするのが、
エンジェル投資家の仕事ということですね。
日本に限らず世界中で優秀な若者がわんさか出てくる時代に入っています。
自分自身がひとかどの人物になるよりも、ひとかどの人物になりそうな人に投資したほうが、儲かる時代が日本にもやってくるはずです。
そんなときの備えになる1冊です。