サウジアラビアの記者、カショギ氏が殺害されたというニュースが世間を騒がせています。改めて、中東の国サウジアラビアという国に興味を持った人も、
多いのではないでしょうか。
手を組んだのもサウジアラビアでした。
私も、名前は知っているけど、実態は皆目わからないという状態でしたので、
本書を紐解いてみることにしました。
本書は、題名にある通り、中東の中でも取り分け裕福な国である、
サウジアラビアやアラブ首長国連邦における、王族の実態に迫る非常に意欲的な作品です。
著者は、中東の企業でも働いたことのある方で、
まさに内情に精通している人というわけです。
何人か登場する中でも私が特に魅力的な人物だと思ったのは、
サウジアラビアのアルワリード王子です。
学生時代には、アメリカに留学し、勉学に励み、卒業はビジネスに没頭していく
アルワリード王子は、事業家としてキャリアをスタートさせますが、
早い段階から投資家として頭角を現すようになります。
王子の投資スタイルと一言で表すと、
”ホワイトナイト”であるということに尽きます。
企業がピンチの時、業績不振で資金が必要な時に
手を差し伸べる存在です。
具体的な投資スタイルについて、書くと、
「底値で買い、長期間保有する。」
というスタイルです。
1つアルワリード王子が決めていたのが、
ブランド力がある企業に投資をすることでした。
投資家の理想的な姿と言えるのかもしれません。
実は、大手銀行のシティバンクを窮地から救ったのも
このアルワリード王子と言われています。
日本国内で投資というと、どうしても株価の値動きに右往左往する、
投機のイメージがいまだ根強いですが、気に入った企業がピンチの時に
手を差し伸べ、長期間保有するというスタイルは、
投資に馴染みの薄い人にとっても勉強になる部分が多いと思います。
特に、業績不振で株価を大きく下げたライザップ。
ゴーン・ショックとも呼ばれ大きく揺れ動く日産。
この様な企業で、最近株が売られている状況を見るにつけ、
アルワリード王子のような投資手法を見習うべきなのではないかと
思うわけです。