日本にある約600万の企業のうち、年間4000万円以上の利益が出ている会社は、全体の3%しかないそうです。この4000万円というのは政府が発表している、高額所得法人という利益が出ている企業を指しています。
年間休日140日、残業禁止、ホウレンソウ禁止と会社員にとって
夢のような会社があります。未来工業という会社です。
休みがない、残業が多い、報告義務が多い
はサラリーマンにとって、三大ストレスとも言ってよい、
項目だと思います。
本書は、未来工業の山田相談役が、利益を出せる会社組織にするためには、
どうすればいいのかを語っている本です。
結論を先に言うと、
「社員のやる気が出る環境を整える」
これだけです。
えっ!?それだけと思う、
経営者も多いことでしょう。
本当にこれだけです。
しかも、社員を信じる徹底的な性善説に立っています。
ユニークな取り組みの一部を紹介します。
■未来工業の取り組み例
・ホウレンソウ禁止ー勝手にやらせるほうが会社はのびる
・残業禁止ー残業分を想定して、給料に上乗せしてしまう。だらだらやらずに効率的で、社員にとっても会社にとってもよいこと。
・業務効率化を推進するアイディアを提出したら500円の報奨金がもらえる
・サークル活動に12万円の補助金がでる
・海外への慰安旅行を実施(全額会社もち)
・営業にノルマがない
そんなにアメばかり用意して大丈夫?
と周囲の経営者に心配されるほど、未来工業で働くメリットがある施策を実行していきます。
でも毎年しっかりと利益を出しているそうです。
■逆張りの発想 儲からない会社の反対をやる
差別化を測るために常に「なぜ」でもって考え続けることが
山田式の働き方ですが、とりわけ重視されているのは、儲からない企業の逆をやろうということです。
では儲からない企業は、山田さん流に言えば、「常識にとらわれている」
企業ということになります。
山田さんは繰り返し、「常識にとらわれるな」と教えています。
たとえば、社員は放っておいたら働かないから、ホウレンソウで管理しよう、ノルマを設けよう、タイムカードを管理しよう、と施策がどんどん縛り付ける方向に行ってしまう。
一時的には功を奏するかもしれませんが、のびのび働くことが難しくなるし、自発的に考えることが嫌になってしまいます。
そうすると、組織に閉塞感が生まれ、どんどん利益が出ない会社になっていってしまう。反対に、伸び伸びと意欲ある社員が働く会社は、勝手に伸びていくと言っています。
儲からない会社の反対のことをやる。
極めてシンプルですね。
まとめると、常識にとらわれずに自分の頭で考えて動く社員が
多いと稼げるということになります。
まずは、一つだけ。
確実に社員が働きやすくなる施策を打ってみませんか。
意外と簡単に儲かるかもしれないですよ。