テディベアー、LINEのブラウン、くまのプーさん、くまもん、
と熊をモチーフにしたキャラクターはたくさんあります。
絵本でも、こぐま社のこぐまちゃんシリーズ、酒井駒子さんの『よるくま』
中川 李枝子さんの『くまさん くまさん』など
たくさんのシリーズがあります。
なぜ、こんなにも熊は、愛されているのでしょうか。
ちょっと調べてみました。
テディベアあたりにヒントが隠れているのではないか
と思っていたら、ネットに参考になる記事がありました。
以下引用します。
”『テディベア大図鑑』(ポーリン・コックリル著 上沢伸子訳 日本ヴォーグ社 1994)
p8 「熊(または、ヒグマ)は19世紀の終わりごろ、子供部屋では物語の登場人物としても玩具としても、ごく当たり前の存在だった。というのも、曲芸する熊が旅回りの調教師と共にあちこちを巡業していたため、ヨーロパや北アメリカではなじみ深い動物だったからである」とあり、テディベアの原型やルーズベルト大統領のエピソード、テディベア・ブームの始まりなどの記述あり。
p216 「子どものおもちゃには、世の中を反映しているものが多い。そう考えると、19世紀におもちゃ産業が発達したときに、ベアのおもちゃが広まったのも当然のことと言えよう」とあり。”
いやあ私も知りませんでしたが、ヨーロッパや北アメリカでは古くから
熊というのは身近な存在だったようですね。
また
”『熊 ものと人間の文化史 144』(赤羽正春著 法政大学出版局 2008)
p6 「猛獣のぬいぐるみを「かわいい」とする神経には、人の心の奥底で熊はたんなる猛獣ではなく、人の心の片隅で生き続けている自分自身であることを示しているのではないか」とあり。
p19-20 図5「熊構造図」に「ぬいぐるみ・童話・文学」あり。「(前略)人にとっては熊の体すべてが薬であった。このように人から見た熊は大自然の中にあってそれを克服した聖なる獣であり、山の神の標であった。この熊が人間社会では魔を退散させる役割を担い、方相氏や鬼となり、母系はトーテムとなった。薬は人の病を治し、丸くて黒い体は人に投影されて文学の主人公やぬいぐるみとなって人に癒しを与えた」とあり。”
日本においても、熊を特別なものとして捉える文化は古くからあったと考えることができそうです。
となると、日本に、元々熊を特別視する土壌がありつつ、ヨーロッパやアメリカから
文化が輸入されれば、自然と浸透したというのもうなづけます。
ここからは私見ですが、イラストにしたときに、「非常にとっつきやすくてかわいい」
という点も熊が愛される一つの理由なんではないかと思っています。
参考
レファレンス協同データベースより抜粋
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000193564