『生涯投資家』の村上世彰さん
『エンジェル投資家』のジェイソン・カラカニス
そして、『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』のcis
この3人の投資家の共通点は、ポーカーを好んでやるという点です。
ポーカーは、知らない人はいないほど有名なトランプゲームですが、
投資家を魅了するエッセンスはどこにあるのでしょうか。
ある文章を引用したいと思います。
「ポーカーが強い人は、『もし今勝負に行ったら』なんていう感覚的な思考に頼りません。私が見てきた優秀なビジネスマンも、希望的観測に任せず、事実から合理的に思考を組み立てる人が多かったです。ポーカーはこの思考法をスピーディーに訓練することができるのです」(※マネーポスト 優秀なビジネスマンと強いポーカープレイヤーの共通点より抜粋)
どうやら、合理的思考を鍛えられるところに魅力が潜んでいるようです。
また、場を読む力が必要になるのも、相場師が好んで興じるポイントかもしれません。
今回紹介する本は、『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』です。
著者は、個人投資家 cis (しす)
本書を読むまでは、恥ずかしながらその存在を知りませんでした。
資産総額230億円。タイトルの通り、日経平均を動かすほどの
力を持った投資家です。
正確に言うと、本人が序盤で告白しているとおり、
投資家ではなく、投機家といった方がしっくりくる人です。
いわゆるデイトレーダーと呼ばれる職業の人です。
株式の購入をギャンブルと捉え、数学的な見地に立ちつつ、日々大量の仮説を作り、
マーケットと向き合っています。
生まれ持った生粋の相場師、ギャンブラーと言っていいでしょう。
裏付けるのは、幼少期のエピソード。
駄菓子やのあたりくじ(お菓子と交換できる)を貨幣に見立てて、
ゲームの胴元として、流通させたりして遊んでいます。
また、麻雀やパチンコも仕事に近い感覚でやっており、
大学時代には、お金を打ち子に渡して、上がりをハネる胴元として
活躍。2000万円の貯金を作り出します。
そのうち300万円を元手に株式投資をスタート。
一時は、104万円まで資金を溶かすも、逐一相場を読み、リスクを果敢に背負う行動力で、瞬く間に資産を増やしていきます。
cis をcisたらしめているな感じたのは、両親の存在です。
ギャンブルに興じることに特に反対する様子もなく、
暖かく見守ってくれています。むしろ一緒に株を買ったりするエピソードも紹介されています。
本書を通読して、わかることは、cisは、麻雀の世界でいうところの阿佐田哲也のような
存在で、相場師になるために生きてきた男だということ。
読者の中には、似たパーソナリティの人もいるかもしれませんが、
真似をしようにも、なかなか真似できないというのが、正直なところではないでしょうか。
つまり、本書を読んだからといって、簡単に資産形成ができるようになるわけでは
ありません。
相場をやるうえで、本書がプラスに働かない可能性があっても、
本書の価値が損なわれるわけではありません。
むしろ、一人のトレーダーの思考回路や半生を辿ることで、
自分自身にはどういう投資が向いているかをとことん考えられるのです。
これこそが本書を読むべき最大のポイントであると考えます。
自分にはどんな投資スタイルが向いているのか?
実は、cisの投資スタイルを学ぶことでクリアになる可能性が高いのです。
【書評】一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 cis KADOKAWA 2018年12月
参考:マネーポスト 優秀なビジネスマンと強いポーカープレイヤーの共通点
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面白そうだなと思ったら、ぜひ読んでみて下さい!