本書は、オーダースーツの製造小売り業を営むSADAの佐田社長が
その経営者としての半生を振り返った意欲作です。
家業を継いですぐに大きな負債を抱えたエピソードや、途中経営者をやめ再びサラリーマンになったり。また、経営者として舞い戻ってきたりと、激動の半生が生々しく振り返られております。
佐田社長が繰り返し書いていることの中に、
彼が家業を盛り返し、唯一無二の企業に育てたヒントが隠されていました。
今回はそのポイントを紹介していきたいと思います。
①大学時代の友人・知人をとても大切にしている
難局を迎えると、佐田社長は胸襟(きょうきん)を開いて、昔の仲間に教えを請い、
活路を見出していきます。決して独りよがりに意思決定をするということがありません。
佐田社長は一橋大学の出身ですが、持つべきものは仲間であると実感できるエピソードが満載です。
②テーマにもなった祖父の教えを忠実に守っていること
本のタイトルにもなっている”迷ったら茨の道を行け”という教え。
実は、佐田社長の祖父によるものです。
③私利私欲に溺れず、事業に邁進している姿勢
佐田社長がピンチを迎えた時に救世主が表れているのですが、
助けてくれた人が手を差し伸べた理由というのが、
人のために動くことしか考えないという佐田社長の姿勢です。
私利私欲のために事業を行う人であれば、手を差し伸べられることは
なかったのかもしれません。
この3つに共通しているのは、いずれも
人を大切にしているという点です。
仲間や家族の言葉を大切にし、人のことも大切に考える。
それこそ佐田社長の持つ大きな武器と言えます。
中小20万社が後継者不足で倒産すると言われている昨今。
”家業を継ぐ”という選択肢の重さと魅力を丁寧に伝えていることこそ
また本書の持つ最大の意味ではないかと読んでいて感じました。
中小企業が大量倒産に陥る!?
そう遠くない将来に訪れるかもしれない待つ日本の危機に
まったをかけるきっかけになる一冊かもしれません。