本書の登場で、人気職業ランキングの上位に
会社員が入るようになるかもしれません。
また、将来的に芸能人のギャラが下がるかもしれません。
それくらいのインパクトをもたらしうる1冊です。
過去にも既存業界に揺さぶりをかける出来事は、いくつか起こってきました。
たとえば、サイバーエージェントという会社の躍進。
電通や博報堂など大手広告会社の新卒採用の質に少なからず影響を与えているはずです。
そして、素晴らしいサービスを連発するインターネット企業の登場は、
間違いなく在京キー局の新卒採用にダメージを与えていることでしょう。
本書は、会社員にアスリートと同様、
真のプロフェッショナルとして働くことを薦める革命の書です。
そして、改めてビジネスが最も面白いゲーム=エンターテインメントであることを、
田端さんはバラしてしまいました。
組織の一員として、つつがなく一生を終えることも多かったであろうサラリーマン。
そのサラリーマンたちに、個人のブランド力を高めて、会社と契約し、会社を利用しようと提案します。
つまり、なんとなく世間に漂っていたであろうサラリーマンには夢がない、という前提を根底から覆す可能性があるのです。そしてこの可能性は、ある意味ブランド人の代表格であるタレント、芸能人の地位を揺るがしうると私は思いました。
なぜか。ブランド人は、会社に属していながら、個人の名前を売り、SNSを駆使して、様々な仕事を仕掛けていきます。場合によっては、メディアに登場して活躍することも出てくるかもしれません。それは、ある意味サラリーマンのタレント化を意味します。あとは若者たちにとってのメディアもTVからSNSに移ってきています。
そうなれば、わざわざ、保障のない芸能人を目指すよりも、サラリーマンをやりながら、世に打って出ることを考えたほうが、生きやすいし、面白いかもしれません。
なによりリスクを最小限に抑えて無茶することができるので、とても美味しいのです。
最近、女優や芸能人と浮名を流す”IT社長”のことが話題になったりしますが、
これからは、有名サラリーマンが、芸能人と熱愛発覚なんてことも日常茶飯事になるかもしれません。
サラリーマンが芸能員のお株を奪う。
一昔前なら考えられなかったことでしょう。
しかし、それが当たり前になる世の中が、かなり近い将来訪れるかもしれない。
そんなエキサイティングな日本の幕開けを予感させる1冊なのです。