みなさんは、好きなビールの銘柄というのは、ありますか?
本書を読むと、キリンのファンになってしまうかもしれません。
著者は、キリンビールの元副社長。営業畑で経営層まで上り詰めた田村潤さんが
書いたキリンビール高知支店の復活劇です。
もう1つ不思議なことですが、キリンだけではなく、
高知のファンにもなってしまうかもしれません。
高知県というのは、とにかく一番が好きな土地柄のようです。
本書が語っていることを一言に集約すると、
それは、理念による経営、マネジメントの重要性ということに尽きます。
この田村さんは、何度も何度もキリンビールで高知の人に喜んでもらうという理念を口にします。中には1000回以上言われたという部下の方もいるそうです(笑)
では、なぜ理念が大切になるのか?
理念とは、そのサービスや会社の存在意義と言い換えてもいいものです。
なぜ、キリンビールが存在するのか?
→お客様に喜んでもらうため。
では、喜んでもらうためには、どうすればいいのか?
→すぐに手にとってもらえる状況を作ることが必要
そうすると、営業の力で一番目立つ状況を作るというビジョンが生まれてきます。
ビジョンができれば、それが、どうやって行動したらよいかの羅針盤になりますから、
自らの頭で考えやすい環境が出来上がってきます。
自らの頭で考える社員が増えれば、後は放っておいても売れ始めます。
一番肝心なのは、理念を元にどうビジョンを設定するか?
田村さんの場合は、徹底的な現場主義によって、
ビジョンは確立されていきます。
毎日、料飲店でお客様の声に耳を傾け、自社のサービスに何が足りないのか?
生の声を掘り続けていきます。
実際に、ビジョンが見えた社員たちは、自らキリンビールがあるシーンを
様々に思い浮かべ、色々なところに営業に飛んでいきます。
仕事にもプライベートにも活かせる考え方を学べる
貴重な1冊です。