※参考文献『MBAより簡単で英語より大切な 決算を読む習慣』シバタナオキ
皆さんは、普段IR資料というものにどれくらい見ているだろうか。
私は、法人営業をやっていたころ、上場企業にお邪魔するときは、
事前準備の一環として、決算説明会資料に目を通すようにしていた。
説明会資料は多くの会社でパワーポイントの資料にまとめてくれてあり、
非常に分かりやすい。少し目を通すだけで、業績の推移や来期の戦略などか分かるようになっている。
本書は、元楽天の役員が、在籍当時のルーティンを活かして、書籍化したものである。
在籍当時のルーティンとは、月曜の全社員の前で役員が発表するトピックスの原稿を作ること。そのネタとして、競合他社の決算情報を分析し、役員に提出していたそうだ。
また、コンテンツ投稿サイトである「note」に決算分析の記事を投稿していたところ、
好評となり、出版に至ったそうだ。
本書が、決算関連という少しお堅い分野の書籍の中でも、人気を博したことは、冒頭に彼のブログの読者だった人が、決算分析をやってどんなビジネスマンに変身できたか、を紹介したことにある。つまり、どんなメリットがあるかを明確に提示した点がわかりやすい。
一例をあげると、とある広告代理店の営業マンは、コンペの勝率の非常に高い営業マンになった。なぜか?クライアントに提案をする際、競合企業の決算を分析し、ここの指標で負けているので、この部分を広告宣伝で強化しましょうという、提案をしていたからだそうだ。
本題の中身だが、ビジネスモデルごとに、重要な指標を紹介した上で、具体的な社名を上げて、決算の詳細を分析していく。なぜ好調なのか?今後どんな戦略をとっていくのか。決算資料を読み込んでいくことで、それが手に取るように分かるようになる。
詳細については、本書を参照して欲しいが、具体的に何をすればいいのか。紹介しておきたい。
・決算説明会資料を読む(目安は15分程度)
・重要だと思う数字を把握
・競合他社の決算資料も確認し、違いをあぶりだしていく
・各社の戦略を把握する
著者も言っていることだが、私はこれを日々の仕事に具体的に活かしていくことが大切であり、一歩抜け出すコツになると思う。
分かりやすく言えば、自分のクライアント(お客様だったり、上司だったり)のために
決算資料を読んで情報を読み取るということになるだろう。