著者は20代、30代のお金の啓蒙に力を入れているファイナンシャルプランナーだ。
これは私の印象だが、ファイナンシャルプランナーは家計の見直しを生業にしていることもあり、おしなべて個人にとって有益な著作が多い気がする。
親切で良心的なものが多い。
本書は、日本が抱える課題を真正面から受け止める本である。
それは、金融リテラシーの偏りの是正という課題である。
2020年小学校の教育要録が改訂される。英語教育やプログラミング教育に力が注がれることになる。
ソフトバンクの孫正義は、過去にこれからのビジネスマンに必要なのは、英語、テクノロジー、ファイナンスと主張している。
ようやく日本の教育でも英語、テクノロジーについては、注力されることになる。
しかしながら、いつまでたっても遅遅として進まないのが、金融教育ではないだろうか。
実はお金に関する良書は世の中に溢れている。小口投資の重要性、自動積み立ての重要性、家計の管理はビジネスそのものであること。
優れた先人たちが知見を本にまとめている。
にもかかわらず、日本全体の金融リテラシーのレベルの低さは、何に起因するのか。
これはもう教育レベルの低さに他ならないと思う。国全体で実施していないことが問題である。
いくら専門家が良書を出版しても、その知見を受け止められるだけのアンテナがなければ、どんどん埋もれていってしまう。
義務教育のレベルで金融教育をほどこさなければ、とても貯蓄→投資へのマインド変化など望むべくもないはずだ。
おそらく本書に書かれている内容は、親が金融関係者や知性ある人なら、
小学校高学年、場合によってはもっと早く教えられている内容だと思う。
小学校の図書室の本の選本は誰がやっているのだろうか。
こういう本こそ早くから触れさせるべきだと思う。