書評習慣

大嶋暫と申します。書籍応援業。おすすめ本に関する書評ブログです。様々なコラムやエッセイも書いております。少しでも面白い書評が書けるよう奮闘中です。

書評『わたし琵琶湖の漁師です』戸田直弘 2002年

注意!この本を読んでしまうとバス釣りがちょっと嫌いになる可能性があります。

 

と宣言したくなる。そんな1冊だ。

 

著者はこの道20年以上の大ベテラン、琵琶湖で漁師をやる戸田さん。

 

内容は、琵琶湖で取れる魚や具体的な漁の方法などが親しみやすい戸田さんの語り口で語られる。淡水で漁師をやる上でのコツなども紹介されている。

 

しかし、とりわけ著者も読者もボルテージが上がってくるのは、

第四章「ええかげんにせえ!ブラックバスブルーギル」からである。

 

腹がふくよかな魚のことを「きんまい魚」というらしい。

琵琶湖で増え続けるきんまいブラックバスの腹を割くと

中からは、琵琶湖で取れる美味しい魚たちがわんさか出てくるらしい。

 

外来魚の恐ろしさを思い知らされる。

 

しかし、一番恐ろしいのは、自国に古来より生息している生物や人々の生活が脅かされているのに、呑気に趣味に打ち込むバサーたちの存在である。

 

バサーとは、ブラックバスを釣ることを趣味にしている人々の事を指す。

 

本書を読むと、「琵琶湖」でブラックバスキャッチアンドリリースすることが、

いかに知性なき所業かを思い知ることになる。

 

ブラックバスは一年で26センチ。その後年間8センチずつ大きくなる。

稚魚の真下を泳いで、守る修正を持っているため、、稚魚の生存率が高い。

 

サバイブする能力に長けた魚なのである。

 

どんどん、琵琶湖の魚が脅かされる中、心無きバサーたちは、

「釣り人の権利を守ろう!」などど声高に叫んだりするらしい。

 

言葉を失うどころか気を失いそうになるほど愚かな人々である。

海外の人たちにできれば知られたくない日本の恥部と言いたいくらいだ。

 

著者の言うとおり、そこまでしてバス釣りがやりたい人は、

国が定めた湖で釣りを楽しめばよい。

 

何も日本のマザーレイクで自分本位の趣味を展開する必要はこれっぽちもないのだ。

 

物事を知らないことは恥ずかしいことではない。ただ、優先順位を履き違えて、自分本位に行動するのはとてつもなく恥ずかしいことである。

 

琵琶湖の漁師戸田さんは、そのことを教えてくれる。