書評習慣

大嶋暫と申します。おすすめ本に関する書評ブログです。様々なコラムやエッセイも書いております。少しでも面白い書評が書けるよう奮闘中です。

書評『京の花街「輪違屋」物語』高橋利樹

清水寺を作ったのは誰だがご存知だろうか。

坂上田村麻呂という人らしい。初代の征夷大将軍平安時代に北方征伐に抜擢された

最強の武将だそうだ。

 

歴史にはつい人に話したくなる要素が満載である。

優れた文化についても歴史的背景を伴ったものが多いのは自明の理である。

 

日本文化には、長らく愛されてきたものが多数あるが、最近花街に関する書籍にハマっている。理由は、元マイクロソフト社長の成毛眞さんの影響によるところが大きい。

 

成毛眞といえば、知る人ぞ知る読書家だが、彼の趣味がお座敷遊びであることは、

意外と有名な事実である。

 

私はといえば、お座敷遊びをするような余裕はないので、書籍で楽しむことが関の山

だ。東京に関するものと京都に関するものを読み比べているのだが、

本書は京都の中でも島原にただ一つだけ現存する輪違屋の主人による著作である。

 

元々京都の花街は六大花街と呼ばれていた。

上七軒祇園甲部祇園東、先斗町、宮川町、島原の六つである。

 

それが、少し遠方にあったこともあり廃れた島原が外れ、現在の五大花街と呼ばれるようになった。

 

花街に関する情報が満載なので、詳細は本書を読んでいただきたいが、

本書は文化とは何かを考えるいいテキストとなる。

 

文化の魅力には「人に話したくなる」要素を含んでいることだと思う。

 

たとえば、上七軒は団子を横に串刺した紋章を使っているのだが、それは秀吉が上七軒の茶屋に立ち寄った際に食べた団子が旨かったことで商いの特権を許したことに由来しているという。

 

人に話したくなる要素満載の文化には多くの場合、歴史的背景があるというのは

冒頭に述べたとおりである。

 

誰でも知っていることを話しても、煙たがられてしまうことが多い。その手の情報はgoogle先生がすべて教えてくれるからだ。

 

誰も知らない知識をいかに仕入れていくか。

どんな仕事においても独自性が問われるこれからの世の中において、

ちょっぴりアクセスしにくく魅力的な情報を探りあてるセンスと行動力がもっと問われていくことは間違いないだろう。