書評習慣

大嶋暫と申します。書籍応援業。おすすめ本に関する書評ブログです。様々なコラムやエッセイも書いております。少しでも面白い書評が書けるよう奮闘中です。

フジTV的バラエティの終焉について

ナインティナインめちゃイケ」ととんねるずみなさんのおかげでした」が来春で終了することになった。「めちゃイケ」は、約20年、「みなおか」は約30年の歴史に終止符を打つ。

 

私はこの事象は、明確なる「フジテレビ的バラエティ」の終焉だと思っている。

なぜこの2大看板は終了したのか?

 

視聴率の低迷ということだが、では視聴率の低迷はなぜ起こったか?

二つの角度から考えてみたいと思う。

 

①タレント依存とターゲット不在の番組作り

②お台場というロケーションの限界

 

まず、①について考察してみたい。

 

この二つの番組には大きな共通点がある。

著名な芸人であるナインティナインとんねるずへの依存度の高さだ。

 

2大マスコットを全面に出して、悪ふざけを容認させていく。

そんな雰囲気がぬぐえない番組である。

 

今でも好きな芸人さんではあるが、ある意味タレントを神格化する番組作りの影響を受けてしまった二組ともいえるだろう。

 

ではフジテレビは今後どうするべきなのか?

移転と番組表の改編が重要になるはずだ。

 

近年のバラエティの大成功例はテレビ朝日加地倫三の手に仕掛けられた番組だと断言できる。代表例は、『アメトーーク!』と『ロンドンハーツ』。

 

特に『アメトーーク!』については、放送日が木曜日の11:15と日曜日の7:00と30代40代がTVを見られる時間帯に放送をしている。

 

正直に言って、土曜日の20:00と木曜日の9:00は一番ビジネスマンたちがTVを見れない時間帯だと思う。なぜか。働いているか飲んでいるからである。この「ビジネスマン」に着目することには理由がある。

 

めちゃイケをメインの文化として育った世代は、現代30代後半くらいまで。みなおか」をメインの文化として育ったのは、現代40代後半くらいまでだろう。

 

つまり、一番強く影響を受けたであろう人たちが見ることのない状態のまま何年間も番組を続けていたことになる。

 

ここで話は飛ぶが、とある二人の成功例を紹介したいと思う。元吉本芸人の島田紳助と作詞家の松本隆である。一見共通点などなさそうだが、二人は口を揃えて、「同世代に照準を合わせて活動していけば、ファンと一緒に年を取っていくので、飽きられることがない」という趣旨のことを発言していた。これは、大きな成功哲学であると思う。

 

今35歳の芸人であれば、同世代が何を笑うのかを研究する。今23歳のシンガーソングライターであれば、同世代が何を感じるのかを研究する。そして、1年経つごとにターゲットの年齢を上げていく。ターゲットの年齢が上がっていかない人は、一過性の人気で終わっていく。

 

先日の『アメトーーク!』のテーマは読書芸人だったが、知性ある大人は男気じゃんけんや、大人の悪ふざけではなく、どうやって豊かな知性を磨いていけばいいか、そこに興味関心が強いはずだ。ターゲットが好むテーマを、次々と企てる加地倫三の手腕には舌を巻くばかりである。

 

冒頭の2番組に大きく欠けていたのは、メインターゲットと一緒に年を取る自覚的な戦略ではないだろうか。ゴールデンタイムがゆえにそれが許されなかった可能性も否めないが。

 

続いて②のお台場というロケーションの限について。

 

私はテレビ朝日テレビ東京の躍進はオフィスが六本木にあることと無関係ではないと思う。フジテレビはその昔、新宿は河田町にあった。歌舞伎町から程近い雑然としたエリアである。今はお台場。地盤は再開発で、ターゲットはファミリー。正直こんなロケーションで面白い番組を作れるほうが奇跡だと思う。『ワイドナショー』や『全力!脱力タイムズ』は現代における奇跡といってよい番組である。

 

では、なぜお台場では駄目なのか?理由は簡単である。飲みにいける雑然とした街が近くにないからである。ゆりかもめに乗っても新橋まで、20分くらいかかってしまう。

 

再開発されたファミリー向けの土地から、文化の香りを立ち上らせることは極めて

難しいことだと思う。夜が盛り上がる街からでないと面白いものは生まれない。

六本木のテレビマンたちは日夜雑然とした居酒屋で酒を飲み、しゃべっている。もちろんフジテレビの中にも日々飲み歩いているツワモノはいると思うが、ある意味「職遊近接」のものたちには歯が立たないだろう。特に「制作」を生業とする人たちにとって刺激的な環境は必要不可欠だと思う。

 

対案として提案したいのは、以下の二つである。

 

①土曜、日曜日の早朝の番組にエース人材を投入し、30代40代をターゲットとした番組をぶつける

②本社もしくは、大きな分室を改めて都内に作る

 

①についてであるが、日曜7:15から放送している『ボクらの時代』は優れたトークバラエティだと思う。優秀なビジネスマンはとかく、平日と起きる時間が変わらないことが多い。

日曜早朝に3人でしゃべっているのを眺めるのは、非常に気持ちが良い。応用の余地はまだまだあると思う。

 

大きなチャンスが眠っているのは、土曜日の『王様のブランチ』がやっている時間だ。

女性にはぶっささる番組だが、20代30代男子にとっては、どうしたって退屈な時間になってしまう。彼女や奥さんとチャンネル権を争うくらいの番組をぶつけてもいいと思う。

 

②については、六本木:テレビ朝日テレビ東京 赤坂:TBS 日本テレビ:新橋

 

というロケーションになっている。再度「京」に上るなら、私は銀座か渋谷がいいと思う。

 

銀座は、30代以降のお金を持ち始めた層が休日を過ごす場所でもある。新橋にも近いし、六本木にもすぐに出ることができる。

 

渋谷もおすすめだ。低年齢化が叫ばれて久しい。ある意味現在のフジテレビと近い課題を抱えていると思う。AbemaTVを伸ばそうとたくらむサイバーエージェントがあるし、東急電鉄は、大人の街に戻そうと死に物狂いで努力をしている企業だ。変革を企てるもの同士力を合わせれば、何か新しいものが生まれるかもしれない。

 

まずは、渋谷のイカセンターあたりで、3社のエース社員が集まって情報交換することから始めてみてはどうだろうか。あながち悪くないと思う。