電通の過労死事件に判決が下された。求刑通りの50万円。
金額の多寡はともかくとして、モウレツ会社にまったがかけられた事例といえよう。
なぜ過労死が起こってしまうのか。
一つの理由は、日本人のまじめさからくるものといえるだろう。
バブル経済を経験し、先進国の仲間入りをした時点で、働き方を国を挙げて考え直すべきだったのかもしれない。
発展途上だったときの働き方を今でも続けているからこそ、様々なところにひずみが生まれるのだと思う。
スタートアップベンチャーが軌道に乗り、利益が出始めたのにも関わらず、
社長は寝ずに働き社員もモウレツに頑張ってしまう会社はどこか無理がある。
毎日が文化祭のような喧騒の中では人間は必ずや息切れしてしまう。
ではどうすれば多くの人が幸せに暮らしながら、国も発展していくことができるのか?
3つの方向性を提示したい。
まず一つ目。税金制度の追加である。現状企業の内部留保は約300兆円とも言われている。
まぎれもなく、一人ひとりが組織のために働いた結果であるといえよう。
ある意味、一番の成績表になるべき項目だが、その存在はあまり表に出てこない。
この内部留保にさらに課税するのである。通常の法人税に加えた二重課税となる。
では具体的にどうするのか?現代のテーマはとにもかくにも生産性向上である。
生産性が高い企業が良い企業とみなされる。
なので、過重労働を強いる企業については、追徴課税を命じ、内部留保を切り崩すのである。この財源の使い道は、子育て支援関連の予算に回せば良いと思う。
そして2つ目。自由市場経済の足を引っ張る施策にはなるが、一部上場企業の経営目標をさげさせるのである。これは多くの営業職従事者は理解してくれるのではないかと考えている。そもそもの目標が高すぎるゆえに、早く帰れなくなるのである。
ただ目標を達成しなくてもいいやと生産性が下がってしまうのも本意ではないので、企業ごとに目標管理の工夫・制度は不可欠となるだろう。
最後3つ目。都市圏集中を分散させ、「東京」の価値を実質低減させていく。
具体的にどうするのか。現在は、中小企業127万社が後継者不在の状況といわれる。東京に住む30代以降のビジネスマンから候補者を募り、地方の中小企業に送り込む。実際、私の周りでも企業で経験を積んだ人間が、郷里に戻る例が出始めている。
東京にすべてを集中させる時代に終止符を打たないといけない。